これってダニ?虫刺されの症状と対処方法を解説
痒くて不快な虫刺され。蚊やブユなど、移動範囲が広い昆虫によるものなら良いのですが、ダニのように身近に住み着く害虫だと、継続的に被害を受けてしまうかもしれません。
本ページでは、ダニによる虫刺されの症状や、治療の流れ、自分でできる対策方法を解説してみたいと思います。
ダニによる虫刺されかを見極めるためのチェックリスト
屋内で人を刺す主要なダニは、ツメダニとイエダニの2種類です。それぞれの虫刺されの特徴を見ていきましょう。
ツメダニによる虫刺されが疑われるケース
- 腕や脚など、露出部位を刺されている
- 0.5〜1センチほどの赤い腫れが複数箇所にある
- 痒みが3日以上続いている
- 清掃の行き届いていない畳や敷物、布団類に心当たりがある
- 梅雨や秋口などで、高温多湿の状況が続いている
- ごく最近、台所で細かい虫が大発生した
ツメダニは、本来屋内ではあまり見られないダニです。ただ台所などで粉物や調味料を餌にする小昆虫(コナダニやチリダニ、チャタテムシなど)が大発生すると、それらを捕食するためにやってきて、繁殖します。
血を吸うことはないため、積極的に人間に寄ってくることはありませんが、ツメダニが好むのは高温多湿、かつ食べ物がある環境。多くの場合、布団やベッド、カーペットです。
つまりツメダニの上に人間の方から接触することで、偶発的に咬まれてしまうことが多いのです。
そのため痒みや発疹がある箇所は、露出している部位であることがほとんど。ツメダニが発生しやすい条件が整っており、かつ虫刺されの位置が露出している場所であれば、ツメダニの噛み跡であることを疑ってみましょう。
イエダニによる虫刺されが疑われるケース
- 太ももや二の腕の内側、お腹など、服で隠れた柔らかい部位を刺されている
- 痒みが3日以上続いている
- 0.5〜1センチほどの赤い腫れが複数箇所にある
- 腫れの中央に水膨れやしこりがある
- 家の中でネズミを見たことがある
ツメダニと異なり、イエダニは吸血性の害虫です。血を吸う対象は主にネズミで、繁殖もネズミの巣の中で行われるのが一般的です。
ただダニの個体数が増えすぎたり、ネズミの巣が人の生活圏に近すぎたりすると、巣から這い出して人の血を吸うようになります。
基本的にネズミの増加に比例して数を増やしますが、繁殖の条件が整う6〜9月に特に被害が増えます。
ツメダニは場当たり的に噛みますが、イエダニは吸血のために肌の柔らかい場所まで移動して刺す、という特徴があり、陰部など衣類で隠れた部位が狙われることも少なくありません。
自宅内、あるいは周辺にネズミが出没していて、発疹のある場所が露出していない部位であれば、イエダニに刺された可能性が疑われます。
ダニに刺された時の治療・対処法
ダニに限らず、虫刺されによる不快感は、多くの場合アレルギー反応によって引き起こされます。そのため痒みや発疹の症状は、体質やそれまでに噛まれた回数などによって差が出ます。
専門知識のない状況で、噛み跡だけからどの虫に刺されたのかを判断するのは困難です。もし発熱や嘔吐感など、痒み以外の症状がある場合は、なるべく早く医師の診断を受けることをおすすめします。
症状が軽度であれば、刺された箇所を流水で洗って清潔にし、その上で市販の痒み止め(抗ヒスタミン成分を含む外用薬)を塗布すると良いでしょう。
目の周りや陰部など、皮膚の薄い部位を刺されている時は、通常の製品だと刺激が強すぎる可能性があります。デリケートエリア専用の製品がありますから、部位や症状に合わせて選んでみてください。
マダニに刺された疑いがある時は速やかに病院へ
ツメダニやイエダニであれば、刺されても大きな心配はありません(イエダニは病原体を媒介する可能性が示唆されていますが、問題視されるほどの被害は出ていません)。
ただ屋外の草むらに生息する大型の吸血ダニ、マダニは、Q熱やライム病、ダニ媒介性脳炎、重症熱性血小板減少症候群といった感染症を媒介します。
またマダニは、一度吸血を始めると1週間以上体が離れません。無理に引き抜こうとするとダニの体が千切れて皮膚の中に残ったり、血管の中にダニの分泌物や媒介物が逆流したりする危険があります。
自分で取り除こうとせず、速やかに皮膚科を受診しましょう。