ダニにバルサンが効かない?考えられる原因と対策
国内産のダニ用殺虫剤と言えば、まず名前が挙がるであろうバルサン。高いシェアを誇るだけに、さまざまな声も聞かれます。
中でも気になるのは、効果に関するもの。効き目があればよいのですが、ダニに効かないという評価は見過ごせませんよね。このページでは、本当にバルサンがダニに効かないのか、実際のところを考察してみたいと思います。
バルサンに限らず、使い方を間違えると殺虫剤はダニに効かない
以前と比べて、殺虫剤はずいぶん使いやすくなりました。ただそれは製品の話であって、使う環境をしっかり整えないと、その力は充分に発揮されません。
種類にもよりますが、家の中で人に被害を及ぼすダニは非常に小さく、肉眼で確認できることは稀です。多くの場合、殺虫剤の拡散力に期待して駆除を待つことになります。
しかし、いくら密閉した部屋の中だろうと、障害物や隙間が多ければ効果は減衰してしまいます。バルサンが効いていないのではなく、殺虫成分が届いていない可能性の方が、可能性としてはずっと高いと言えるでしょう。
ちなみに、バルサンを使う前に行っておきたい下準備は下記の通りです。
- タンス、押し入れなど、隠れている部位をすべてオープンにする
- ペット、観葉植物を外に出す
- カーペットなどは全面を露出させる
- 食器類・精密機器類にはカバーを掛ける
また気をつけたいのが、バルサンには浸透性がないということです。ダニが繁殖している場所が衣類や寝具類など、厚みのあるものの中だった場合、殺虫成分が届かないことも十分考えられます。
カーペット程度の薄さであれば効果が見込めますが、布団やマットレスのダニを駆除するとなると、バルサン単独では難しいと言えます。
衣類や寝具類に巣食うダニを駆除するには
マットレスや衣類など、厚みのある品にダニが潜んでいる時は、バルサン以外の対策を考えましょう。
手軽なのは天日干しですが、裏と表、両方に丁寧に熱を与えないと、ダニが逃げてしまう可能性があります。掃除機をかける、という方法もありますが、殺すわけではないため、慎重に処理をしないと再発をしてしまうリスクが。
少しお金は掛かってしまいますが、クリーニングに出して専門家にケアしてもらうのが最も確実な方法と言えます。
バルサンを使う前に知っておきたいこと
ほか、ダニ駆除のためにバルサンを使う時に役立つ知識を以下にまとめます。
ダニの卵には効かない
ダニに限らず、害虫の卵は往々にして頑丈にできています。特に布団や衣類など、繊維の深い場所に卵を生みつけられている場合、一回バルサンをしただけでは駆除しきれない可能性が考えられます。
そのため、一度バルサンを噴霧してから1〜2週間ほど待ち、卵が孵っているかを確かめながら、状況に応じて繰り返し薬剤を散布することが大切です。
また、湿度が高い、換気が悪い、などダニが発生しやすい心当たりがあるなら、まずは不要な荷物を減らしたり清掃などを入念にされた上で、定期的に(冬場は二ヶ月に一回、夏場は一ヶ月に一回程度)にバルサンを使うのも効果的と言えます。
バルサンが効かない害虫もいる
ダニやノミだと思っていたら、全く違う害虫だった、というケースがあります。バルサンやその他の殺虫剤でも効果がなく、体を刺されることが続いているようなら、別の可能性を疑うべきです。
特に注意したいのが、トコジラミという害虫です。名前が示す通り寝室に潜み、眠っている人から血を吸って成長・繁殖します。刺されると激しい痒みを引き起こし、その不快さから不眠になってしまう人もいるほど。
また恐ろしいことに、トコジラミはピレスロイド系と呼ばれる、主要な市販薬剤に含まれている殺虫成分に耐性を持っている場合がほとんどです。繁殖力も強く、一度侵入を許すと簡単には駆除できません。
もし、害虫によるものと思われる不快な痒みに繰り返し悩まされているなら、なるべく早く専門家に相談し、対策を講じることをおすすめします。
ダニの発生を防ぐ5つのポイント
家の中でダニの発生を防ぐために、覚えておきたい5つのポイントをまとめました。
1. 清潔に保つ
ダニはホコリや汚れがたまった場所に生息するため、掃除を頻繁に行い、室内を清潔に保ちます。特に、寝具やカーペットなどのダニが多いとされる場所は定期的に掃除機をかけるようにしましょう。
ダニの発生を防ぐためには、ダニの餌をなくすことが重要です。ダニを一匹も発生させないことは難しいですが、餌さえなければ、ダニの大繁殖を防ぐことができます。
ダニの餌は、不飽和脂肪酸を含んだ人間のフケや垢、髪の毛など。また一見ただの綿ぼこりに見えても、中にはフケや垢、髪の毛などが混じっていることがほとんどです。
特にソファやベッドの隙間などは、ダニの餌が落ちてしまいやすいため、掃除機や粘着テープなどを使って掃除をするようにしましょう。
またリビングなどでは、食べこぼしなども要注意。特に小さなお子さんがいる家では、お菓子の食べこぼしなどがないよう気をつけなければいけません。
お菓子を食べるときには、決まった場所で、シートやトレイを敷いて食べると良いでしょう。
2. 湿度をコントロールする
ダニは乾燥した環境では生息できませんが、高湿度な環境では繁殖が促進されます。気温が20〜30度、湿度が60%以上の環境だと発生しやすいと言えるでしょう。
そのため、6月〜9月に発生のピークを迎えますが、冬も油断はできません。冬は暖房器具を使う上、換気の頻度も減ってしまいます。室内暖かく室外が寒いと結露が発生するため湿度も上がり、ダニが発生しやすい環境がつくられてしまうのです。
ダニの発生を防ぐためには、室内の湿度を50%以下に保つようにすることが重要です。エアコンや除湿機などを利用して湿度を調整しましょう。
また、室内の換気を良くすることで、湿気やホコリを減らすことができます。真夏や真冬、花粉の時期などはなかなか換気をしづらいこともありますが、も2時間に程度は1回は数分でも窓を開けて換気をするのがおすすめです。
特に、朝晩の涼しい時間帯に窓を開けて風を通すようにすると効果的です。
3. 布団や枕はこまめに洗う
布団や枕は、ダニが好む暖かく湿度の高い環境を作ってしまうため、こまめなケアが必要です。最低でも1週間に1度は、洗濯をすると良いでしょう。
布団や枕を買い替える際には、簡単に洗えるかどうかもチェックしてみてください。
最近は布団専用の掃除機を使う人も増えていますが、実は掃除機で吸引できるのはダニの死骸だけ。布団掃除機でダニを退治するためには、生息しているダニを死滅させなければいけないのです。
寝具に生息するダニを死滅させるには、布団乾燥機がおすすめです。60℃の温度で30分ほどを目安に乾燥機をかけると効果的です。
布団乾燥機を持っていない場合は、コインランドリーの乾燥機でも代用することができます。
4. 虫除け効果のある製品を使用する
ダニに効果のある虫除けスプレーやアロマオイル、防虫剤などを使用することで、ダニの発生を抑えることができます。
置き型の防虫剤やシートタイプが手軽でおすすめ。しかし使用方法や期限を守らないと正しい効果を発揮しない可能性があるため注意しましょう。
5. ペットのケアをする
犬や猫などのペットにもダニが寄生することがあります。
ペットを飼っている場合は、適切な予防策をとり、犬や猫用のダニ退治スプレーなどを使用することで、室内のダニの発生を防ぐことはできます。
ペットをダニの被害から守るためには、やはり駆除薬の投与が効果的です。皮膚への投与や飲み薬などが種類があるため、かかりつけの獣医師と相談して選ぶと良いでしょう。
また、お散歩の後には必ず足拭きをする、ブラッシングなどをこまめにすることで被害を最小限に防ぐことが可能です。