赤ちゃんが被害に?!押さえておきたいダニの生態と駆除方法
赤ちゃんの肌はデリケートです。乳児湿疹やあせも、突発性湿疹など、乳児期の肌トラブルも少なくありません。
だからこそ気をつけたいのが、ダニによる被害です。原因を誤解してしまうと、繰り返し刺されて被害が長引いてしまう可能性も。
また、ダニの死骸や糞に含まれるタンパク質がアレルギー源となり、アトピーや喘息、鼻炎といったアレルギー性疾患を引き起こす可能性もあります。
本記事では、赤ちゃんを守るために押さえておきた、ダニに関する基本知識や駆除方法を解説します。
ダニの種類と赤ちゃんに与える影響
まずは、家の中に発生する主なダニの種類を把握しておきましょう。
ヒョウダニ(チリダニ)
大きさ | 0.2〜0.5ミリ |
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発生しやすい場所 | カーペット、畳、布団や毛布など、湿気がこもりやすく、潜り込めるものがある場所 |
発生しやすい時期 | 5〜9月 |
栄養源 | ゴミ、カビ、人の垢やフケなど |
赤ちゃんへの主な影響 | 鼻炎、結膜炎、喘息、アトピー等のアレルギー疾患 |
家の中に発生するダニの中でも、もっとも一般的なダニがヒョウダニです。
人を刺すことはありませんが、死骸やフンがアレルギー源となり、赤ちゃんに好ましくない影響を与えます。人の垢やフケを好んで食べ、適度に暖かく、湿度の高い場所で繁殖します。
この特性のため、人が長く寛ぐ場所、リビングのカーペットや居間の畳に発生することが多いです。
コナダニ
大きさ | 0.3〜0.4ミリ |
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発生しやすい場所 | キッチン、パントリー |
発生しやすい時期 | 8〜9月 |
栄養源 | 粉ミルク、小麦粉、片栗粉、パン粉、ほか食品全般 |
赤ちゃんへの主な影響 | 鼻炎、結膜炎、喘息、アトピー等のアレルギー疾患 |
コナダニは、その名の通り小麦粉や片栗粉といった粉物の食品を好むダニです(ただし好むだけで、粉物以外の食品にも発生します)。
ヒョウダニと同じく人を刺すことはありませんが、死骸やフンがアレルギー源となり、さまざまな疾患を引き起こすリスクがあります。
たとえばホットケーキミックスに発生したコナダニを気づかずに調理して食べてしまい、ホットケーキシンドロームという急性のアレルギー症状を引き起こすケースも見られます。
事例は少ないですが、場合によっては全身に発疹が出たり、呼吸困難や腹痛などの重篤な症状を伴うことも。
粉ミルクをはじめ、コナダニの餌になりやすい食品については、保管場所や密閉方法に注意しましょう。
ツメダニ
大きさ | 0.6〜1ミリ |
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発生しやすい場所 | カーペット、畳、布団や毛布など、湿気がこもりやすく、潜り込めるものがある場所 |
発生しやすい時期 | 8〜9月 |
栄養源 | 他のダニ、昆虫等 |
赤ちゃんへの主な影響 | 噛まれることによる痒みや痛み |
吸血しないダニなのですが、数が増えると人も噛まれたり、体液を吸われることがあるため、注意が必要。
通常、家の中では発生しませんが、他のダニを捕食するため、たとえばキッチンなどで大発生したコナダニを食べにやってきたツメダニが、そこで繁殖してしまうというパターンが多いです。
イエダニ
大きさ | 0.3〜1ミリ |
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発生しやすい場所 | ネズミの巣など、暗く湿った場所 |
発生しやすい時期 | 6〜9月 |
栄養源 | 哺乳類の血液 |
赤ちゃんへの主な影響 | 噛まれることによる痒みや痛み |
ネズミに寄生する吸血性のダニです。巣の中でダニが増えすぎたり、ネズミが死んだりすると、新たな宿主を探して人の生活圏に入ってきます。
血を吸われると、注入された体液がアレルギー反応を引き起こし、湿疹や強い痒みを引き起こします。
主な駆除方法
一般的な市販の駆除薬であれば、使い方(特に換気)さえ間違えなければ、赤ちゃんに影響が出るようなことはありません。薬剤を散布した場所をハイハイしても、舐めても、健康を害することはまずあり得ないでしょう。
ただ、奥まった場所にいる個体や卵は、一回で根絶できるとは限りません。様子を見ながら予防も兼ねて定期的散布するのがセオリーです。
以前から市販の駆除薬を使っていて、慣れているようであれば構いませんが、もし確実性に不安があるようでしたら、スチーマーの使用を検討してみることをおすすめします。初期コストこそかかりますが、蒸気の熱でダニを駆除するため、赤ちゃんにも無害です。
乾いた後に、ダニの死骸やフンを掃除機でしっかり吸引する必要はありますが、手間は日常の掃除の延長程度で済むでしょう。
もし自身で処理するのが不安であれば、ダニを駆除したい旨を伝えた上で、クリーニング店に出してしまうという手もあります。
ご自身の状況に合わせて、柔軟に選択肢を検討してみてください。
また、ダニのもっとも効果的な対策は、繁殖を予防することです。
ダニはエサ(食べかすやフケ、アカ等)の多い、湿った空間を好みます。物が多い場所であれば、隠れるのに困らないためなおさら都合が良いでしょう。
そのため、こまめに掃除を行い、整理整頓と換気を徹底すれば、自動的にダニが住み着きづらい環境を整えることができます。
ダニを駆除した後は、そうした衛生面にも気をつけてみると良いでしょう。