効果的なダニの駆除方法とは【マンション編】
刺されると発疹が出たり、アレルギー症状を引き起こしたりするダニ。様々な経路から家の中に侵入して、部屋の中でどんどん繁殖してしまいます。
このページでは、マンションでダニが発生した時の駆除方法をご紹介します。また、引越ししてすぐなど、ダニの発生を防ぐためにやっておきたい予防と対策についても解説していきます。
マンションで出たダニを駆除する3つの方法
ダニを駆除するにはどんな方法があるのでしょうか。4つの方法について、それぞれ特徴を見ていきましょう。
殺虫剤
ドラッグストアなどで売られている殺虫剤。燻煙タイプ、スプレータイプ、粉末タイプ、置き型などいくつか種類があるため、場所に合わせて選ぶと良いでしょう。
部屋中のダニを一気に駆除したいなら燻煙タイプがおすすめ。電化製品などをカバーで覆う手間はかかりますが、広範囲のダニを一気に駆除できます。
ソファや布団にはスプレータイプ、カーペットや畳には粉末タイプの殺虫剤がおすすめです。
布団乾燥機
ダニは、熱に弱いという特徴があります。そのため、布団乾燥機で温風を当てることでダメージを与えて駆除する方法もあります。
布団はもちろん、カーテンやぬいぐるみについたダニを駆除する時にも便利。なかにはダニを駆除するモードが搭載されているモデルも。
掃除機
布団や枕、カーペットに潜むダニは掃除機で吸い取ってしまうのも一つの手です。布団専用のクリーナーもありますが、普通の掃除機でも問題ありません。
ただし、奥に潜むダニは普通に掃除機をかけるだけでは吸い取ることができません。掃除機をかける前に殺虫剤や布団乾燥機、天日干しでダニを死滅させる、布団叩きなどで叩いてダニを表面に浮き上がらせるなどの工夫が必要です。
予防と対策!マンションでダニの発生を防ぐコツ
マンションでダニが発生するのを防ぐために、普段からやっておきたい3つのことを解説します。
こまめな掃除で部屋を清潔に保つ
ダニは、ホコリや人間のフケ・アカなどをエサにして繁殖します。そのため、まずはダニのエサを増やさないよう、部屋を清潔に保つことが大切です。こまめな掃除を心がけましょう。
テーブルの下の食べこぼしや家具の隙間のホコリなど、見落としがちな場所は事前にピックアップして、掃除をし忘れることがないようにしておくと安心です。
部屋の湿度を下げる
ダニは、温度が20〜30度、湿度が60〜80%の環境を好みます。
高温多湿となる6月〜8月頃はダニの繁殖時期といわれていますが、気密性が高いマンションは湿度が上がりやすく、季節問わずダニが繁殖しやすい環境です。
部屋の湿度が上がりすぎている場合は、窓を開けて換気をしたり、エアコンの除湿機能を使ったりして、湿度を調整するようにしましょう。
布製品は定期的に干す
餌となるものが多く、湿度がこもりやすいベッドやソファなどの布製品はダニが発生しやすい場所です。定期的に洗濯や天日干しをして、ダニが発生しにくい環境を作るようにしましょう。
また、ダニ防止加工がされた布団やシーツを選ぶ、布団やカーペットの下にはダニ取りシートを置くなどの対策も効果的です。
マンションの共有部でダニが発生したら?
マンションのエントランスやエレベーター、廊下などでダニが発生した場合、基本的には大家さんや管理会社が対応します。賃貸、分譲に関わらず管理費や共用費を払っていれば、駆除してもらうことが可能です。
ただし、物件によっては対応してもらえない場合もあるため、賃貸契約書を確認し、直接問い合わせてみると良いでしょう。
共有部分に発生したダニを放っておくと、さらに被害が広がったり、衣類や靴などに付着して家の中に持ち帰ってしまったりする恐れがあるため、、気づいたらすぐに大家さんや管理会社に相談することをおすすめします。
マンションに発生する可能性のあるダニの種類
一口にダニといっても、実はいくつかの種類に分類されることをご存知でしょうか。それぞれの特徴を見ていきましょう。
ヒョウヒダニ
別名チリダニとも呼ばれるヒョウヒダニ。漢字では「表皮ダニ」と書きます。このダニは名前から分かるように、人間の表皮、つまり皮膚が大好物です。
人間が腕や足などを強く掻いた時に出る皮膚のかけらを餌にします。ダニと聞くと人の皮膚を刺すイメージをお持ちの方も多いかもしれませんが、このヒョウヒダニは人を刺すことはありません。
体長は0.3〜0.4mmほどととても小さく、肉眼で見つけることは難しいでしょう。
多くは畳やカーペット、寝具などに生息して人間の皮膚を餌にしているヒョウヒダニですが、実は小麦粉も大好物です。
開封済みの小麦粉やホットケーキミックスなどの中に入り込み、爆発的に増殖します。ダニの死骸や糞を食べると強いアレルギー症状を起こす可能性もあるため、開封済みの粉物の袋はしっかり封をして冷蔵庫の中で保存すると安心です。
コナダニ
コナダニの体長は、0.3〜0.5mm。とても小さい上、粉のように白く見えることからコナダニと呼ばれています。
コナダニは気温が20〜30度、湿度が60〜80%の高温多湿な環境を好みます。日本では梅雨の時期から大量発生しやすいのが特徴です。
コナダニは、ヒョウヒダニと同じように人を刺すことはありませんが、死骸や糞を食べてしまわないように注意しなければいけません。
小麦粉やお好み焼き粉、ホットケーキミックスなどの粉物の他、チョコレートなどの菓子類、砂糖などの調味料、かつお節などの乾物、ドライフルーツなど様々な食品を餌に生息します。
特にキッチンの棚の中は風通しが悪く湿気がこもりがち。開封済みの粉類やお菓子、乾物などをキッチンの棚やパントリーなどには保管せず、冷蔵庫などに入れると良いでしょう。
実は次にご紹介するツメダニは、コナダニが大好物です。つまり、発生しているコナダニを放置していると、ツメダニが発生する原因になってしまします。
ツメダニ
ツメダニは、体長0.3〜0.8mmのダニです。大きな爪を持っているためツメダニと呼ばれています。
ツメダニは、コナダニやチリダニなど、他のダニや幼虫などの体液を餌にします。それらの餌が足りなくなるとツメダニ同士で共食いすることもあります。
人を刺して吸血することはありませんが、稀に謝って人を刺してしまうこともあるため油断はできません。
畳やカーペット、布団など温かく湿度の高い場所を好みます。また、餌となるヒョウヒダニやコナダニが発生しやすい台所の棚やパントリーなどにも潜んでいる可能性があります。
刺されると、翌日以降にかゆみや赤みが出て、1週間ほどその症状が続きます。
イエダニ
イエダニは、主にネズミや鳥などに寄生し、吸血して繁殖をするダニです。体長は0.6〜1mmと、ヒョウヒダニやコナダニと比べると大きく、肉眼で確認できる場合もあります。
古い家など、家の中にネズミが住み着いている場合、そのネズミを介して家の中に侵入してしまいます。そして、新たな寄生先を求めて人間を吸血するのです。
特に梅雨から夏にかけて被害が増加。お腹や太ももなど、皮膚の柔らかい部分を刺されることが多いのが特徴です。
発生してるイエダニを駆除しても、ネズミが住み着いていればまたイエダニを連れてきてしまう可能性があります。イエダニの駆除を行う前に、まずはネズミの駆除を行う必要があります。
マダニ
マダニは、これまでご紹介した他のダニと違い、主に公園やキャンプ場、河川敷の草むらなど自然の中に生息しているダニです。
しかしマダニは動物の血液を吸血して餌にしているため、ペットの体や人間の衣類、靴などにくっついて家の中に入ってきてしまうことがあるのです。
マダニに刺されると、多くの場合2〜3日で激しいかゆみや腫れなどの症状が出ますが、麻薬作用がある唾液を注入しながら吸血するため、刺されていることに気がつかない人もいます。
本当に怖いのは、マダニが媒介する感染症です。重症の場合は死に至ることもある重症熱性血小板減少症候群(SFTS)にかかる可能性もあるため、マダニの被害に気が付いたらすぐに医療機関で診てもらうようにしましょう。