シャレにならない被害?!スーパー南京虫とは
ここ十年程度の間に、スーパー南京虫と呼ばれる害虫が日本中で被害を拡大しています。
南京虫とはカメムシの仲間で、別名ベッドバグやトコジラミとも呼ばれる吸血性の昆虫。殺虫成分の進歩もあって1970年代に一度は姿を消しましたが、2000年代に入ってから主にアメリカやヨーロッパで、薬剤耐性を身につけた個体、スーパー南京虫が続々と確認されるようになりました。
2010年代に入り、外国人観光客が急激に増加したことで、日本におけるスーパー南京虫の被害も増加の一途を辿っている状態です。
宿泊施設はもちろん、一般住宅に侵入・繁殖されることも珍しくなくなり、もはや他人事では済まされません。本ページでは、そんなスーパー南京虫の基本知識を解説します。
スーパー南京虫がもたらす被害とは
スーパー南京虫は、主に就寝中の人を狙って血を吸い、痒みや湿疹を引き起こします。
痒み自体は注入された体液によるアレルギー反応によるもので、伝染病などを媒介するリスクは低いと考えられています。
ただ痒みが非常に激しく、人によってはまともに眠れないほど。ノミやダニによる被害と混同して放置してしまい、繰り返し被害にあってしまうケースも少なくありません。
しかも殺虫剤が効かない可能性が高く、簡単には対策できないという厄介な特性を持っています。
宿泊施設では死活問題につながることも
スーパー南京虫は空を飛べない害虫ですが、人の荷物や衣類に隠れることで、驚くほどの距離を移動することがあります。
このため、不特定多数の人が集まる施設、特にホテルや宿などの宿泊施設は被害に遭うリスクが高くなります。
早期に気づいて対策ができればよいのですが、放置して繁殖を許してしまうと、宿泊客の二次被害を招き、被害者から加害者に。やがては風評被害によって、大きな経済損失を被ることにもなりかねません。
実際、スーパー南京虫による被害によって休業や閉鎖に追い込まれた事例が、海外では多く見られます。スーパー南京虫による被害を対象とした保険商品もあるほどです。
昨今は国内でも、駆除のために施設を閉鎖する事例が見られるようになりました。正しい知識を持って、被害の早期発見、予防に努めることが、今後ますます重要になってくることでしょう。
最大の予防策は持ち込まない・持ち込ませないこと
平たく小さいスーパー南京虫は、ありとあらゆるところに隠れることができます。そして、清潔・不潔関係なしに、暗く湿気の多い場所を選んで繁殖します。
海外はもちろん、国内の旅行や出張であっても、馴染みのない宿泊施設を利用した際は帰宅前に荷物を隅々までチェックすることが重要。特に、以下の項目に該当するような宿泊施設を利用した場合は、十分に注意をして、スーパー南京虫の侵入を予防しましょう。
- シーツなどに血の痕がある
- 寝具周辺にカメムシのような昆虫の抜け殻が落ちている
- 寝具周辺にインクを垂らしたような黒くて小さなシミがある
また、宿泊施設利用後に体のどこか(主に就寝時に露出している場所)に痒みがあった場合なども、スーパー南京虫の被害を疑って注意されることをおすすめします。
宿泊施設は早期発見・早期対策が鍵
宿泊施設では、利用客一人ひとりの荷物や衣類をチェックするのは現実的に不可能です。
そのため、まずスーパー南京虫が嫌う環境(隠れられる場所が少なく、風通しのいい環境)をできるだけ整えることが重要。その上で、早期発見ができる仕組みを導入することをおすすめします。
たとえばベッドの下やマットレス、絨毯の裏、シューズクローゼットの中など、清掃時にチェックすべき場所をリストアップし、スタッフ間で共有しておくことなどが挙げられるでしょう。
そして、万が一被害が発覚した場合は、できるだけ速やかに専門家に相談しましょう。
不安を感じたら速やかに専門家に相談を
たかが虫、と考えて放置すると、被害が広がり、駆除に余計な時間とコストが掛かります。スーパー南京虫は繁殖力が高く、何もしないでいていなくなる可能性はほとんど考えられません。
市販の殺虫剤が効かない可能性も高く、事後に独自で対策を講じるのは困難です。
もしスーパー南京虫を発見したり、繁殖が不安視される痕跡を見つけたりした場合は、可能な限り速やかに専門ノウハウを持つ害虫駆除業者に相談されることをおすすめします。