冬でも終わらない!トコジラミの生態と繁殖を予防する方法
トコジラミは、人の家に住み着き人間や動物の血を餌に繁殖する害虫です。血を吸われると、発疹とともに激しいかゆみに襲われます。
多くの害虫は冬になると一度被害が減るのが一般的ですが、トコジラミはどうでしょうか。本ページでは、冬のトコジラミの被害について詳しく解説します。
トコジラミは冬になると減る?
トコジラミは、春から夏にかけて動きが活発になり、繁殖を行います。気温25度、湿度60%以上の環境を好むため、暖かい季節や年間を通して気温が高い地域での被害が多く見られます。
気温や湿度から考えると、他の害虫と同様、冬にはトコジラミの被害が減るように思えるでしょう。しかし冬だからといって、トコジラミの被害が一切なくなるというわけではありません。
寒い時期になれば安心と油断していると、畳の隙間や寝具の縫い目など、思わぬところにトコジラミの魔の手が及んでいる可能性があります。
油断は禁物!冬でもトコジラミの被害が出る理由
寒くなると活動が沈静化するトコジラミですが、冬でも被害が出るのはなぜでしょうか。その3つの理由を解説します。
人間の血を食料としているから
トコジラミの主な食料は、人間やペットの血液です。普通は食料がなくなればそのまま餓死したり、住み着く場所を変えたりしますが、人間やペットがそこに住んでいる限り、トコジラミの食料はなくなりません。
またトコジラミは、ドラッグストアやスーパーなどで市販されている殺虫剤が効かない場合も多く、一度発生すると大量に繁殖されるリスクが。冬になると活動力は衰えますが、餌がなくなるわけではありません(餌となる血を供給してくれる人間は元気に活動しています)。思わぬ場所に潜んで吸血の機会を窺っていることも考えられます。
絶食状態でも生きられるから
トコジラミは人間やペットの血液を餌にして生きていますが、実は絶食状態でも生きることができます。
とある研究では、絶食させたまま気温10度以下で2年以上生存し、正常に産卵したこともわかっています。つまり、寒い冬で餌が一切ない状態だったとしても、餓死することなく生き延びられるというわけです。
室内が暖かいから
冬は、エアコンやホットカーペット、こたつなどの暖房器具を使用する人が多いでしょう。家の外は寒かったとしても、暖房器具の使用によって、家の中がトコジラミが生息しやすい気温と湿度に整えられ、冬でも活発に動き回れるようになります。
特にトコジラミは、暗くて暖かい場所に発生しやすいため、こたつ布団やカーペットへの付着には注意が必要です。
冬のうちに済ませたいトコジラミの繁殖予防
冬にも全滅することなく活動を続けるトコジラミですが、活動・繁殖のピークは春〜夏頃の暖かい季節です。ピークの時期を迎える前に、トコジラミの繁殖を予防する準備をしておきましょう。
トコジラミは、畳やベッドの隙間、マットレスや寝具の縫い目、柱の穴など、暗くて狭い隙間に潜んでいることがほとんど。繁殖させないためには、まずこれらの場所をこまめにチェックして、風を通したり、清潔に保ったりすることが有効です。
ただし、殺虫剤の使用は要注意。よく市販されているピレスロイド系の殺虫剤は、トコジラミに効果がないことが多いです。「プロポクスル」「メトキサジアゾン」などの有効成分を配合した殺虫剤であれば効く可能性はありますが、それはあくまで予防手段です。
もし個体を確認した場合は、自力での駆除は考えず、速やかに業者に相談することをおすすめします。
トコジラミを発生させないためには
トコジラミは環境のせいではなく、人や物にくっついて移動することで、家の中に入り込み繁殖してしまう害虫です。そのため、実はトコジラミを侵入させないということ意外に、家での発生を予防する方法はありません。
重要なのは、とにかく家の中にトコジラミを持ち込まないということ。特にホテルのベッドや床などから持ち込んでしまうことが多いため、国内外問わず旅行や出張などでホテルに宿泊した際には、衣類やバッグをしっかりチェックしましょう。
またトコジラミは早期発見が重要です。駆除のタイミングややり方が悪いと、被害がさらに広がってしまう可能性があるため、トコジラミの発生がわかったらぜひ害虫駆除業者にご相談ください。