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簡単には処理できない!ノミの卵を駆除するには

不衛生が原因で家の中でノミが繁殖する、というケースは少なくなりました。しかし犬や猫が外から持ち込み、ペットはもちろん、家族にも被害が及んでしまうパターンは依然として見られます。

厄介なのが、その繁殖力。せっかく手間と時間を掛けて殺虫剤を撒いても、それが卵やサナギにまで及んでいなければ、再発するリスクをゼロにはできません。

本ページでは、そんな厄介なノミの卵を、効果的に駆除する方法を解説します。

ノミの卵はどこから来てどう育つか?

卵ごとノミを駆除するためには、まずノミの卵がどこにあるかを把握する必要があります。

ただこれは、ケースバイケースで異なります。現在、被害の多くはネコノミという種類のノミによってもたらされますが、ネコノミは動物の血液を主食にしており、一度寄生すると宿主から離れません。

ノミは吸血後、1日以内に交尾をし、やがて産卵を始めます。そして、1日に最大で20個前後の卵を産みます。

ノミの成虫は、おおよそ3週間ほどで生涯を終えますから、1匹につき400個近くもの卵を1ヶ月足らずの間にばら撒く計算になります。

ノミの卵は、0.5ミリほどの大きさの楕円形です。産卵は基本的に宿主の体で行われますが、卵の表面がつるりとしているため、少なくない数が落下します。

落下した場所に十分な湿度と温度があれば、3日前後で幼虫が出てきて、そこからは住宅内のフケやアカ、食べかすなどを栄養源に大きくなっていきます。

つまり、宿主の行動範囲内で、かつ十分な湿度と温度がある場所なら、どこでノミが発生してもおかしくないわけです。もちろんペットの居座る時間の長い場所の方が繁殖リスクは高いですが、予想外の場所に卵が落下している可能性がある、という点は知っておくと良いでしょう。

サナギの生命力は卵より強い

幼虫は、発育にちょうど良い場所を見つけると、そこに留まります。光が届かず、湿度が高い場所。たとえば絨毯や毛布をはじめとする布類の中や、家具の隙間などです。

餌を食べて十分に成長した幼虫は、脱皮を二度したあと、そのままサナギになります。条件が整えば二週間前後で成虫となりますが、そうでなければサナギのまま半年〜1年ほど耐えることが可能。強度は卵よりも強く、また殺虫剤も効きにくくなり、じつに厄介です。

成長に必要な温度・湿度がある環境で、宿主となる動物が近くにいることを察知すると、サナギは成虫となり、熱や呼気を感知して飛び掛かっていきます。

家の中のノミを根絶するために知っておきたいこと

ノミを根絶するためには、成虫だけでなく、産み落とされる卵やサナギも駆除する必要があります。

ペットがノミに寄生されていることが明らかになったら、まずは動物病院へ連れて行くことが重要。単純に安全で強い薬で駆除してもらえるだけでなく、予防薬の投与によってペットがそれ以上ノミに咬まれることを防ぐことができます。

宿主となっていたペットのケアが終わったら、住宅内にいるノミを駆除していきましょう。

毛布やカーペットなどは、処分できるものなら処分してしまうのが早道です。そうでなければ、クリーニングに出すなど、専門家の手に委ねましょう。

家庭用の洗濯機で洗うのは、確実性に乏しいためおすすめはできません。自力での駆除を考えるのであれば、スチームクリーナーを使って、隅から隅まで熱処理を施すのが効果的です。ただこの場合、熱による色落ち、繊維の痛みには十分注意しましょう。

燻煙タイプの殺虫剤を使うのも良いのですが、卵とサナギには効きにくいため、一度の散布で油断しないことが大切。時間を置いて様子を見つつ、繁殖の兆候が見られたらすぐに二度目の散布を実施することが大切です。

また、万全を期したい場合、被害が広範囲に及んでいる場合は、害虫駆除業者の手を借りるのも一つの方法です。

家の中で被害を及ぼすノミの種類

ノミは、世界中にたくさんの種類が生息しています。日本では主に、犬や猫に寄生するイヌノミ、ネコノミが一般的ですが、人に寄生するヒトノミ、ネズミに寄生するネズミノミもいます。

ネコノミ

ネコノミは、猫に限らず、犬や人、ネズミ、ウサギなど幅広い動物に寄生します。体長は1〜3mmほどと小さく、褐色で体が縦に平たいのが特徴です。ネコノミの後ろ足は長く発達しており、非常に高い跳躍力を持っているため、ネコの体表や周囲の環境を飛び回りながら移動します。

ネコノミは、吸血をすることで栄養を摂取しますが、1日に何度も吸血を繰り返すため、猫にとってはかなりのストレスとなります。また、ネコノミに媒介される病気もあり、猫に引っ掻かれたり噛まれたりすることで人に感染するバルトネラ病などを引き起こす可能性もあるため注意が必要です。

イヌノミ

イヌノミは、主に犬に寄生するノミの一種ですが、見分けがつかないほどネコノミとよく似ています。成虫になる前の幼虫期間を犬の毛皮内で過ごします。

イヌノミの幼虫は、犬の毛皮内にあるフケや汚れ、成虫の糞などの有機物を食べ、約1週間で成長し、繭の中で蛹になります。その後、成虫になって犬の体表面に出現し、犬の血液を吸って生活します。体の色は褐色で、全長は約2~3mm程度。簡単には見つけられない小さいです。

刺されると、かゆみや発疹、皮膚炎、蚊に刺されたような赤い斑点などの症状が現れることがあります。また、イヌノミは伝染性の病原体を媒介することがあります。

ヒトノミ

ヒトノミは、人間だけでなく、犬や猫、ネズミなどに寄生します。体長は約1〜3mm程度です。体は黒褐色で丸く、細長い口針を持っているのが特徴的です。

ヒトノミは、暗い場所に住み、主に寝室や寝具、カーペット、畳などで見つかります。人が寝ているときに活発になり、吸血時には痛みを与えます。

刺されると、ノミの唾液によってかゆみ、赤み、発疹、湿疹などのアレルギー反応を引き起こすことがあります。

ただし、最近の日本では、ヒトノミはほとんど見られなくなりました。昔は家に出る主要なノミの種類として知られていましたが、最近の被害はネコノミによるものが多いといわれています。

ネズミノミ

ネズミノミは、名前の通りその多くがネズミに寄生し繁殖しますが、他のノミと同様に犬や猫、人などに寄生することもあります。

体長は1.5〜2mm程度。頭や目が丸いのが特徴です。世界各地に分布していますが、日本では主に本州、四国、九州に生息しています。

他の種類と同様に、刺されるとひどい痒みや腫れを引き起こします。また、ペストを媒介することでも知られています。

ペストは、ペスト菌による感染症で、感染したノミに噛まれることで人に感染ります。高熱や出血を伴う発疹などが見られ、適切な治療をしなければ死にも至る病気です。

現在日本にはペスト菌は存在しませんが、万が一菌が日本に入ってきてしまった場合、流行してしまう可能性があります。

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