こんな痒みにご用心。部位や痒みでわかるノミ、ダニ、トコジラミ
かゆい!という症状が出て、初めてノミやダニの繁殖に気づくことがあります。そこでここでは、ノミ・ダニ・トコジラミのかゆみについてご説明します。
それぞれで刺されやすい部位や、かゆみに違いがあります。もし気になる症状があれば、すぐ皮膚科へいきましょう!
ノミのかゆみ・刺されやすい部位
ノミは、人間の皮膚から血を吸います。刺される部位は、腕や体幹です。皮膚について血を吸い、場合によっては10分以上もかけてじっくりと、皮膚の上についたまま。
しかしとても小さいので人間はあまり気が付きません。ノミ被害で多いのが「ネコノミ」で、これは体長が2~3ミリしかありません。
猫や犬から、人間にうつるノミです。刺されてもすぐに気がつくとは限らず、刺されてから1~2日後に赤いぶつぶつができて、分かることが多いです。
ノミが生息しやすい場所
ノミは一般的に、犬や猫などの動物に寄生する害虫です。とても小さいため数匹いても気がつくのは難しいですが、繁殖力が強く大量発生するため、見た目にもとても不快感があります。
ノミの発生原因は、ほとんどが外からの侵入です。特に犬や猫などのペットを飼っているお宅では、散歩などで外に出た時にペットの体にノミが寄生して、家の中に連れ帰ってしまうのです。
寄生したノミは、ペットの体の表面で卵を産み、カーペットやソファなどに落ちて孵化をして繁殖していきます。ノミは、餌の豊富なカーペットやソファ、ベッドだけでなく、部屋の角や家具の隙間など暗い場所に潜みます。
ペットを飼っていない人でも、ガーデニングや畑仕事、アウトドアなどをした際に衣類などに寄生して、家に持ち帰ってしまうこともあります。
ノミの対策
ノミの一番の対策は、とにかく外から持ち込まないということ。ペットには定期的に予防薬を投与して、ノミから身を守ります。
また、散歩後には専用のクシでブラッシングなどをして寄生を防ぎましょう。人間も外で作業などをした際には、家に入る前に衣服を手で払い、すぐに着替えるようにすると安心です。
もしノミを見つけてしまった際には、粘着シートやガムテープなどを使って駆除します。卵を飛び散らせてしまう恐れがあるため、絶対につぶさないように注意しましょう。
ダニのかゆみ・刺されやすい部位
ダニも、人間の皮膚について血を吸います。刺される部位は、わき腹や下腹部、ふとももの内側などの柔らかい部分です。
顔や手足はほとんど刺されません。刺されてすぐには症状が出ないこともありますが、数日経つと、強いかゆみとともに刺された部分が赤く腫れます。
ダニで多い「イエダニ類」は屋外でなく室内にいて、夜に眠っているあいだ布団にもぐりこんで血を吸います。
こちらは体長が0.7ミリとノミよりも小さく、しかも夜に出てくるので刺しているところを見つけることは困難です。
ダニの死骸を吸い込むとアレルギー症状を引き起こすことも。アレルギー性鼻炎や喘息、アトピー性皮膚炎などの原因にもなります。
ダニが生息しやすい場所
ダニは、高温多湿な環境を好みます。そのため発生するのは暑い日が増える6月〜9月頃。特に湿度が高くなる梅雨の時期は、ダニが発生しやすい時期です。
人間の皮脂や垢、髪の毛、ホコリなどを餌にするダニは、餌の方なベッド周辺でよく発生します。また、湿気がこもりやすいソファやカーペット、畳などもダニが好む環境です。
ダニの対策
ダニ対策には、まず清潔な状態を保つことが重要です。ダニは、餌がなければ繁殖することができません。つまり、餌となる汚れやゴミなどがない環境を意識すれば良いのです。
寝具やソファカバーなどはこまめに洗濯をします。髪の毛やホコリ、食べかすなどの汚れは、掃除機や粘着シートなどを使って放置しないようにしましょう。
また、高温多湿な環境を作らないこともポイント。エアコンのドライ機能や除湿機などを使って、室内の湿度を下げるのがおすすめです。
トコジラミのかゆみ・刺されやすい部位
トコジラミ(南京虫ともいいます)も、人間の皮膚から血を吸います。刺される部位は、腕や足、頭など皮膚が露出している部分です。
トコジラミも体長5~8ミリと小さいのですが、人間の血液が混じった黒いフンをするので、比較的見つけやすいでしょう。トコジラミに刺された場合、痛みはありませんが、強いかゆみをともないます。
皮膚に跡が出るまでに数時間かかり、場合によっては数日たってから中心に小さい穴がある赤いぶつぶつが現れます。紫がかった平らな斑点がでるので、比較的、分かりやすいかもしれません。
刺された跡はだいたい1週間ほどで消えますが、かゆいのでかきむしってしまうと、そこから感染が起きる場合もありますので要注意です。
トコジラミが生息しやすい場所
トコジラミは、人間が寝静まっている時間に吸血します。そのため、ベッドや寝室の家具の隙間などに潜んでいることが多いのです。
トコジラミが潜んでいるかどうかを見極めるポイントは、血糞跡です。トコジラミが吸血した後に排泄する糞は、赤黒い色をしています。糞は潜伏している場所の床や壁などに付いていることが多いため、血糞跡を見つけたら近くにトコジラミがいると判断して良いでしょう。
寝室以外でも、家具の隙間やカーテンの継ぎ目など、暗くて狭い場所に潜んでいることも。中にはコンセントの内部で発見されたという例もあります。
トコジラミの対策
トコジラミは、外出先から持ち帰ってしまうことで、家の中で繁殖してしまいます。特に旅行などに出かけた際は、トコジラミが荷物や衣類に付着している可能性があるため注意しましょう。
すでにトコジラミが発生してしまっている場合、自分で駆除する方法もいくつかありますが、最近は殺虫剤が効かないトコジラミも増えています。
完全に駆除するためには、専門業者に相談するのがおすすめです。