マンション共有部の害虫駆除は誰が責任を取る?
大勢の居住者がいるマンションでは、色々なトラブルが起きます。
例えばエレベーターや集会場等のマンション共用部に害虫が大量発生した場合、駆除の責任はどこにあるでしょうか。
マンション共用部の衛生管理は、大家さん・管理会社・居住者それぞれに負担が発生することもある為に、注意が必要です。
マンション共有部の害虫駆除は、基本的に大家さん責任
マンションのエレベーターや廊下、エントランスなどの共用部の害虫駆除は、基本的に大家さん・管理会社が責任を負うべきエリアです。
家主には、賃貸物件を衛生的かつ安全に住める状態に維持する責任があります。
大量の害虫発生は「住環境が劣悪になった」と見なされる事態のため、大家さん・管理会社には速やかに害虫駆除を行う責任が発生するのです。
また賃貸だけでなく分譲マンションの場合も、管理費や共用費を支払っているのなら管理組合を通して理会社に駆除対応を求める事が出来ます。
逆に管理費や共用費を支払っておらず、賃貸契約書等に「害虫駆除は居住者責任で行う事」と明記してあると管理会社に責任を問う事は難しくなります。
駆除依頼をする前に契約内容の確認をしておきましょう。
共有部分は大家さん責任・ベランダは居住者責任が一般的
ではベランダやマンションの専有庭の害虫駆除についてはどうでしょうか。
こちらは基本的に居住者の責任です。
居室のベランダや専有庭は、大家さんや分譲マンションの管理会社が「居住者に占有を許可している部分」ですから管理責任は居住者にあり、害虫駆除費用は居住者が負担します。
但しベランダや専用庭の害虫駆除に関しては例外もあります。
害虫発生の要因が明らかに物件の老朽化や欠陥によるものである場合は、大家さん・管理会社の責任とみなされるからです。
例えば賃貸物件が非常に古くて水回りの排水管等の欠陥が原因で害虫が発生しているケースでは、ベランダや専有庭内であっても大家さんや管理会社の責任となり、居住者は破損個所の修繕や害虫駆除を請求する事が出来ます。
マンションで注意するべき害虫の種類
マンションで発生しやすい害虫について詳しくご紹介します。
ゴキブリ
家に出る害虫といえばゴキブリ。たった3mm程度の隙間があれば、玄関のドアや窓、排水溝、換気扇などから気がつかないうちに侵入してしまいます。
ゴキブリの餌となるものは、食品や人間の髪の毛、フケ、ホコリなど。段ボールを食べることもあるので、マンションのゴミ捨て場などは注意が必要です。
ダニ
布団やマットレス、枕、カーペット、ソファなどに発生しやすいのがダニです。高温多湿の場所を好み、人間の皮脂や垢などを餌に繁殖します。
マンションの共有部分でも、廊下やエントランスがカーペットなどが敷かれている場合は、そこにダニが発生してしまう恐れがあります。
また、不特定多数の人が使用するロビーのソファにも、ダニが潜んでいる可能性は否めません。
ノミ
ノミは、部屋の隅や、家具の隙間など暗く湿度の高いところ、ソファやベッドなどに発生しやすい害虫です。
特に、犬や猫などのペットを飼っている場合は要注意。散歩などで外に出た時に体にノミが付着し、それを家の中に持ち帰ってしまうことがあります。
また、庭やベランダから家の中に侵入してくることも。ノミは体の大きさがとても小さいため、網戸をしていても通り抜けて侵入してしまうのです。
トコジラミ
最近、トコジラミによる被害が増えています。別名ナンキン虫とも言われるこの虫は、人間やペットの血液を餌に繁殖します。
トコジラミが自宅で発生するのは、主に旅行先のホテルなどから持ち帰ってしまうことが原因です。
特に海外の宿泊先から衣類や荷物に付着して持ち帰ってしまうことが多く、気がついたら自宅で大量発生していたということも少なくありません。
トコジラミは物に付着して移動するため、マンションの一室から、共有部分や他の部屋へと被害が広がる可能性があります。
チョウバエ
主に浴室や洗面所などの水回りに発生するコバエの一種。汚れが多く、湿度の高い場所を好みます。
また、キッチンの生ゴミや食べ残しが置いてある場所にも発生しやすく、一匹現れたかと思うと、次から次に大量に発生するため早めに駆除しなければいけません。
マンションの共有部分では、特にゴミ捨て場に発生しやすい害虫です。
カメムシ
秋に大量発生するカメムシ。刺激すると臭いにおいを放つことでおなじみの害虫です。
カメムシは、主にベランダやバルコニーに干した洗濯物に付着したり、わずか数ミリの網戸の隙間から入り込んだりして、家の中に現れます。
もともと集団行動を好むため、一匹の被害では済みません。マンションの壁一面を覆うほど、大量に発生してしまうこともあります。
マンションの虫はどこからくる?
害虫の主な侵入経路は、窓や玄関だけでなく、換気扇、排水口、排気口など様々です。また、人の衣類やペットの体に付着してくることもあります。
虫は移動できる範囲が限られているため、マンションの高層階は虫が出にくいと言われています。
しかし、人やペットに付着した虫や、タイミングよくエレベーターに乗り込んでしまった虫は、高層階にも移動できてしまうため油断はできません。
虫が出やすいマンションの特徴とは
一般的に、築年数の古いマンションは、新しいマンションよりも虫が出やすい傾向にあるでしょう。建物は老朽化すると、湿気が溜まりやすくなったり、設備が劣化したりすることによって虫が入り込みやすくなります。
また、一階に飲食店やコンビニなどの店舗が入っていると、虫は餌を求めて寄ってきます。特に飲食店は調理などで湿度が高くなるため、虫が生息しやすい条件が揃っています。
マンションの近くに、山や川、池などの自然が多い場所も虫が発生しやすいでしょう。特に水辺には虫が発生しやすいため注意が必要です。
マンションでの害虫駆除は、速やかに対応を
このようにマンションで大量に害虫が発生した場合は、駆除費用の負担を誰がするのかが大きな問題になります。
害虫の発生場所や発生要因によっては家主や管理会社が駆除を行う事になりますし、マンションの管理組合が妥当だと判断した場合は居住者が積み立てている共用費等から支払う事もあります。
いずれにせよ集合住宅での害虫発生は建物全体に被害が広がる恐れがありますので、速やかに駆除しましょう。
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