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アルコールは効かない?ノロウイルスの効果的な消毒方法とは

毎年11月〜3月頃に流行するノロウイルス。感染性胃腸炎の原因となるウイルスで、感染すると嘔吐や下痢、腹痛、発熱などの症状が現れます。

感染拡大を防ぐためには、しっかりと消毒を行うことが大切ですが、市販されているアルコール消毒液は効果があるのでしょうか。ここではノロウイルスの消毒について詳しくご紹介します。

ウイルスには2つの種類がある

ウイルスには、「エンベロープウイルス」「ノンエンベロープウイルス」という2つの種類があります。

エンベロープとは、脂肪・たんぱく質・糖たんぱく質からできている、ウイルスの外側を覆っている膜のこと。エンベロープを持つウイルスが「エンベロープウイルス」、持たないウイルスが「ノンエンベロープウイルス」と分けられます。

エンベロープウイルスに当てはまるのが、インフルエンザウイルスやコロナウイルスです。そして、ノロウイルスやロタウイルス、アデノウイルスは、ノンエンベロープウイルスに当てはまります。

ノロウイルスにアルコール消毒は有効?

エンベロープは、消毒用アルコールや手洗いせっけんなどによって壊すことができます。エンベロープが壊れた状態のウイルスは感染力が失われるため、アルコールによる消毒や手洗いが有効です。

一方ノンエンベロープウイルスは、エンベロープよりもアルコールに強いたんぱく質で表面が覆われているため、ノロウイルスやロタウイルスなどに対して、一般的なアルコール消毒では効果が薄いとされているのです。

しかし、アルコールの中でも酸性やアルカリ性のものならノンエンベロープウイルスを不活性化できるということがわかっています。ドラッグストアなどでノロウイルス対策のアルコールを購入する際は液性をチェックして、アルカリ性もしくは酸性のものを選んでみてください。

アルコール消毒液の使い方

ドアノブや部屋の家具、キッチンの調理台などは、アルコールによる消毒がおすすめ。ノロウイルスに効果的とされる塩素系漂白剤は、プラスチックや金属を劣化させてしまう可能性があるためです。

ペーパータオルや布にアルコール消毒液を含ませ、消毒したい場所を拭きましょう。一度拭き取った後、数十秒程度時間をあけて再度拭き取りをするとより効果的です。

また、手指消毒に使用する際は、製品の説明書に従って適当な量を手の平に取り、しっかりとすりこみましょう。指の間や手の甲、手首にも忘れずに。消毒液が乾くまでしっかりすりこんだら完了です。

ノロウイルスに有効な次亜塩素酸ナトリウムとは

塩素系除菌漂白剤の主成分「次亜塩素酸ナトリウム」。消毒・殺菌の効果が高く、食品に対しても使用されている化学物質です。用途に応じて希釈して使用します。

ドアノブ、壁、床、手すり、トイレや浴槽などの消毒はもちろん、感染者の嘔吐物や便が付着した衣類やシーツの除菌などにも使用できます。

ただし、皮膚についたり目に入ったりすると、皮膚のただれや失明などの可能性があるため、使用の際は十分注意しなければいけません。取り扱い説明書をよく読み、正しく使うようにしましょう。

ノロウイルスの4つの感染経路

ノロウイルスの感染経路は、主に経口感染・接触感染・飛沫感染・空気感染の4つです。

経口感染は、ノロウイルスに汚染された食べ物を食べることで感染するケース。感染に気がつかずに調理や配膳することで、食べ物にウイルスが付着してしまう可能性もあるため注意が必要です。

感染者の嘔吐物や便の処理時に、手指に付着したウイルスが体の中に入ってしまうのが接触感染です。感染者がきちんと手洗いをしないことで、ドアノブなどを介して感染してしまうこともあります。

そのほか、嘔吐物の飛沫を吸い込んでしまう飛沫感染、ホコリに付着して空気中に漂うウイルスを吸い込んでしまう空気感染にも注意しなければいけません。

普段から手洗いや消毒を徹底することはもちろん、正しい方法で嘔吐物や便の処理を行うことが感染拡大を防ぐ重要なポイントです。

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