美容室における正しい消毒方法をわかりやすく解説
不特定多数の人が利用する美容室。新型コロナウイルス感染症はもちろん、インフルエンザやRSウイルスなどが流行する時期には、不安を感じてしまう人も多いでしょう。
また、お客様だけでなく、働く人を守るためにも、徹底した清掃・消毒が不可欠です。
今回は、美容室での消毒方法について詳しくご紹介します。
美容室での器具やタオルの消毒方法とは
美容室での消毒方法は、理容師法・美容師法施行規則により定められています。
器具の消毒
理容室・美容室で使われる器具は、主に2つの種類に分けられます。ひとつはカミソリなど皮膚に接する器具、またはカミソリ以外でも血液が付着しているもの、その疑いがあるものです。
もうひとつは、はさみ、くし、ヘアブラシなど、カミソリ以外で血液が付着している疑いがないものです。
美容室ではカミソリを使った顔剃りなどは行われないため、主に後者の洗浄と消毒が行われます。
消毒の前に、まずは流水で器具を洗浄します。消毒は、煮沸消毒や、エタノールによる消毒、次亜塩素酸ナトリウムによる消毒のいずれかの方法で行います。器具の材質などに合わせて選ぶと良いでしょう。
そのほか、紫外線照射や逆性石鹸液、両性界面活性剤を使った消毒などいくつか方法があります。
消毒液を使用した場合は、流水でよく洗い流し、使用済みのものと区別して専用のケースなどに保管します。
タオル類の消毒
タオル類の消毒方法は、主に加熱と消毒液という2つの種類があります。どちらの場合も、消毒の前に洗剤を使ってしっかりと洗浄しましょう。
加熱の場合、蒸し器などの蒸気消毒器にタオルを入れ、器内が80℃を超えてから10分間以上そのまま放置します。
消毒液を使う場合は、次亜塩素酸ナトリウム液に浸します。ただし次亜塩素酸ナトリウム液には漂白作用があるため、色物のタオルや布類には使用できません。
手指消毒
感染症を予防するためには、こまめな手指消毒が重要です。必ずお客様一人ごとに消毒を行いましょう。
目に見える汚れがある場合や、消毒液を使った手指消毒がすぐに行えない場合には、石鹸を使ってしっかりと手洗いをします。
ただでさえ手が荒れやすい職業でもありますから、ハンドクリームなどを使って保湿をすることも忘れずに。
その他の消毒
お客様が手を触れやすいドアノブや手すり、椅子、荷物かご、トイレなどは消毒用エタノールや次亜塩素酸ナトリウムなどを使って定期的に消毒を行います。
営業開始前後はもちろん、可能であればお客様が入れ替わるタイミングで清掃・消毒ができるよう意識しましょう。
紙の雑誌はタブレットに切り替える、キャッシュレス決済を推奨する、クロスやドリンクサービスのコップは使い捨てにするなど、清掃や消毒をしやすくする、手間を減らす工夫も重要です。
美容室で行う感染症対策への取り組み
こまめな清掃・消毒のほかにも、美容室で取り入れられる感染症対策はいくつもあります。
たとえば、営業日・営業時間を変更や、同一時間の予約を制限することで、店内の人数を減らすことが可能です。マンツーマン施術にすれば接触人数が少なく済みます。
また、会話を必要最低限に留める、加湿器や空気清浄機の導入しこまめな換気を行うなど、できる対策を探してみましょう。
どんな対策を行うか、店内でのルールが決まったら、お客様にもそれを共有し不安を取り除いてあげることが重要です。
感染症を防ぐためには、スタッフはもちろんお客様とも協力しあい、対策を行いましょう。