ペットショップでの消毒・清掃の基礎知識
新型コロナウイルス感染症の拡大を受け、業種にかかわらず、以前よりも店内の清掃や消毒に力を入れる会社が増えています。
そもそもペットショップでは、ペットの健康管理が欠かせません。また毎日お客さんの出入りがあるため、店内を清潔に保つ必要があります。
今回は、ペットショップの清掃や消毒などの衛生管理について解説します。
新型コロナウイルスはペットにうつる?
ペットショップだけでなく、犬や猫などの動物を飼っているご家庭でも、新型コロナウイルスがペットに感染してしまうのかどうかは重要な問題ですよね。
厚生労働省のホームページによると、これまでに新型コロナウイルスに感染した人から、犬や猫が感染したと考えられる事例がいくつか報告されているとのことです。
また動物園には、飼育員から感染されたと考えられるトラやライオンの感染事例も。ごくわずかな数ではありますが、人から動物へ感染する可能性はゼロではないと考えておくと良いでしょう。
感染した犬は明確な症状は確認されておらず、猫は呼吸器や消火器の症状があったということです。
ちなみに、新型コロナウイルスがペットから人に感染したという事例は報告されていません。
ペットショップでの新型コロナウイルス対策
ペットショップではすでに当たり前に取り入れている対策もあるかと思いますが、おさらいの意味を含めて、対策方法を確認してみてください。
新型コロナウイルス感染症は、主に飛沫感染、接触感染で感染することがわかっています。狭い空間で、近距離で会話をしたり、感染者がウイルスが付着した手で触ったものを別の人が触り、その手で口や鼻、目の粘膜を触ることなどで感染します。
レジやカウンター周辺、説明・契約スペースは、人が密集しやすく、多くの人が手を触れるものが多い場所です。
お客様との間にはアクリル板やビニールなどで仕切りを作るとともに、手を触れるところはこまめに清掃・消毒。可能であれば、接客時には使い捨て手袋を着用するとより安心です。
また店内には消毒液を設置して、手指消毒への協力を呼びかけましょう。
ペットショップ、ペットがいるご家庭での消毒アイテム
ペットがいる場所で使う消毒アイテムには、注意が必要です。
エタノールは厳禁
手指や物の消毒によく使われるエタノールですが、犬や猫などのペットがいる場所では使用してはいけません。
人間は、エタノールを体内で分解する酵素を持っているため問題ありません。しかし犬や猫はその酵素を持っておらず、万が一エタノールを舐めたりしてしまうと中毒症状が現れて、最悪の場合、命を落としてしまう可能性もあります。
ペットの種類や体重などによって、中毒症状が起こる量は異なりますが、ペットがいる場所では絶対にエタノールが主成分のアルコール消毒液は使わないようにしましょう。
次亜塩素酸水での消毒がおすすめ
次亜塩素酸水は、ウイルスに対して高い効果を発揮する、ヒト由来の水溶液です。有機物に触れると水に還る性質があるため、人間はもちろん、ペットがいる場所にも安心。動物の保護施設や病院などでも使われている安全性の高い消毒剤です。
また、次亜塩素酸水は臭いに対する効果もあります。気になるペット臭にも効果を発揮し、さらに次亜塩素酸水自体は水に還るため、市販の消臭剤や芳香剤などを使った時のように、臭いが混ざって逆効果になってしまうこともありません。
次亜塩素酸ナトリウムは次亜塩素酸水とは別物
次亜塩素酸ナトリウムは、塩素系漂白剤を薄めたもの。次亜塩素酸水と名前は似ていますが、全くの別物です。
ウイルスや細菌に対する殺菌・消毒・不活化効果がありますが、酸性のものと混ぜると有害ガスが発生する、直接触ると皮膚や粘膜にダメージを与えるなどの危険性があります。
エタノールと同じく、ペットがいる環境では使用を控えるのが良いでしょう。