岡山のトコジラミ駆除・対策

岡山県のトコジラミの被害状況

トコジラミの相談件数は、全国的に増加しています。主な原因は、海外からの訪日観光客の増加や、日本人の出国者増加に伴う帰国者の増加です。海外で荷物などに付着したトコジラミが、日本に持ち込まれ、日本で繁殖しているのです。
岡山県でもトコジラミは確認されていますが、保健所などへの具体的な相談件数は公表されていません。

2020年頃からコロナウィルス感染症の蔓延により、一時は国外への移動が制限されていましたが、2022年頃から規制が緩和され、自由に海外を行き来できる世の中に戻りつつあります。
岡山は県内に国際空港があり、中国・台湾・韓国等の国からの玄関口として機能している都道府県のひとつですので、今後トコジラミの相談件数が増えていく可能性があります。

岡山県の外国人観光客の推移

外国人観光客の推移から、岡山県におけるトコジラミの増加リスクを考察します。
国土交通省の「宿泊旅行統計調査」によると、岡山県の2022年の外国人延べ宿泊者数は5.9万人泊でした。全国で24番目であり、外国人観光客数の数だけで言えば特に多い方ではありません。
ただ、新型コロナウイルスが蔓延する前までは、外国人の延べ宿泊者数は右肩上がりに増加していました。2013年時点では8.5万人泊でしたが、2019年には48.7万人泊まで増加しています。

※単位：万人泊 /国土交通省「宿泊旅行統計調査」平成22年〜令和4年分より作成

2020年の新型コロナウイルス蔓延後は激減しましたが、2022年頃から再び回復傾向がみられています。
また、岡山県は山陽道の中央に位置し、県内には国際線が就航する空港や新幹線の停車駅も有するため、日本各地からもアクセスしやすい県です。それ故に、決してトコジラミの持ち込みリスクが低いとは言えないエリアです。

岡山県で特にトコジラミに注意するべきエリア

前述の通り、岡山県では保健所などへのトコジラミの相談件数を公表していませんが、訪日外国人の多さからトコジラミのリスクが高いエリアを推察することができます。

参考：岡山県「岡山県外国人観光客交通動態調査」より作成

外国人観光客が旅行で訪れた観光地のTOP3を見ると、「岡山後楽園」、「岡山城」、「倉敷美観区」がランクインしています。3箇所が位置する岡山市・倉敷市は隣接していて交通の利便性も高く海外からの観光客も訪れやすいエリアのため、その分トコジラミのリスクも比較的高いエリアであると考えられます。

岡山県の気候条件から考察するトコジラミのリスク

トコジラミは15度以上あれば繁殖可能と言われていますが、活動しやすいのは気温25度・湿度60％以上の環境です。
岡山県におけるトコジラミの活動のしやすさを考察するため、岡山県の気候条件を調査しました。

国土交通省気象庁「岡山（岡山県)　平年値（年・月ごとの値）　主な要素」より作成
湿度は年間を通して60%を超えています。岡山県の気候は、瀬戸内側、内陸部、中国山地の3つに分かれ、地域による差はありますが、特に気温が上がりはじめる5月〜10月はトコジラミが活発になりやすく、気候条件からみると岡山県はトコジラミが活動しやすいエリアといえるでしょう。